コンテンツへスキップ

表現アートで自分の本音を受け入れる【山梨の絵画教室アトリエミライ】

  • BLOG

思い出したくないこと、忘れたいこと

皆さんは今までの人生で、思い出したくないこと、忘れたいことはありますか?

全くそういう経験がないという方はいないと思うのですがどうでしょう?

そして、そういった経験をのりこえ「もう昇華している」「大丈夫」って思っている人はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

ちなみに私は、自分のことを「ぜんぜん平気、内省したし、あれもこれも大丈夫!」なんて思っていたタイプでした。思い出したくないことや忘れたい経験を自分自身受け入れて昇華して人生の糧にしたつもりで生きていました。

そんな私ですが、実際にはそういった負の経験がまだまだ自分の生き方に深い影響を与えているということに「表現アートセラピー」の最中に気がついたのでした。

今日はその経験をお話をしたいなと思います。何かの気づきになれば幸いです。

もう大丈夫!全然平気!・・・本当に??

私が「表現アートセラピー」を学んでいく際中のお話ですが、豊富にあるワークの中、どの内容に取り組んでいくか、ワークの内容を見ている時です。ワークの中に「怒りを解放する」というワークがありました。私はそれをみて、自分の中に、モヤっとした拒否感を感じました。表現アートセラピーの場では強制はなく、自分の気持ちに正直でいていいので、私は正直にそ「怒りのワークはピンとこない、やりたくない」と言いました。

自分の中に怒りなんてないと思っていたので「わざわざ怒りを思い出してそれを解放するなんて、嫌だ!」と思ったんですね。

もちろんワークは強制ではありませんから、それを直接的にやることはなかったのですが、他のワークの最中に結果として自分の中にあった「怒りや本音」と向き合うことになったのです。

過去のブロックとなっているものを見つめる際に、自分の中で昇華したと思っていた出来事が自然に浮上してきて、それに対してきちんと自分の思いを受け止め、怒りを解放する・・という流れになったのでした。

その経験を通して、自分がいかに自分の心を抑えて「いい子ちゃん」でいたのか、分かり身よく振舞っていたのか、に気づかされました。

自分の本音を「優等生」が押し殺していませんか?

(その人の性格にもよりますが)時に人は素直に自分勝手に自分中心に感情を解放したほうがいい時もあるのです。
もちろん相手に直接的に感情をぶつけてもいいと言っている訳ではありません。

でも、自分自身が自分の心の本音を押さえつけたことで、受け止めてもらえなかった思いは、後からじわじわと自分の足かせになります。いわゆるブロックやしこりとなるのです。

自分の感情をジャッジせず、受け止めてあげることは難しい時がありますが、もし

「この感情ってどうなの?」「この感情、どうしよう・・・」
「いや、自分が悪いんだ」「自分がおかしいかな?」
「こんなこと思うほうが悪い」「こんなこと思っていたくない」

・・・というネガティブな思いがあったり、逆に

「自分は絶対あっている」「相手がおかしい」
「なんでわからないんだ?」「自分があってるはずなのに、なんだか釈然としないな」

という思いがあったら、それをまず大事に、「ああ、自分そう思ってるんだね」って受け止めてあげてください。受容すると、新しい気持ちに向かっていけるものです。

でも、渦中ではなかなかそうできなかったり、できたとしても、「そんな思いはさっさと忘れてはい次!」という感じになって思いの源泉が伝えたいメッセージに気づけなかったりもします。
もちろん、いつまでもネチネチ思ってしまうのは避けたいですが、しっかりと自分の本音にオーケーを出して、そこから自分なりの腑に落ちる感覚がほしいですよね。

表現アートセラピーを通じて自分の本音、自分とつながること

「表現アートセラピー」では、自分の中にある思いに自分自身で気づき、受け止め、癒し、最終的に自分自身の気づきによって望む世界へと歩いていけるという感覚が強くあります。

これはあくまでも私の主観的な表現ですが、セラピーは他人に理解者になってもらうことや、癒してもらうことを指すのではなく、一人一人の人間の内側にある「自分」のもつパワーに気づき、自分との信頼関係をつくるものだと感じています。セラピーということはは「療法」「治療」という意味があり私の感じているものと少し違います。なので、少し言い直すと、「表現を通して自分の心に気づき、自己との繋がりを深めるワーク」という感じでしょうか。とにかく穏やかそうに見えてパワフルなワークなんです。

「自分軸」という言葉が流行っていますが、本当は、一人一人が、そもそも「自分」なんですよね。
「自分軸」、なんて言わずとも、いつも自分を感じているんです、本当は。
見ようとしなくても常にそこにある・・・のが自分の感覚
だから、本当はみんな自分軸なんて言わなくてもすでに自分でしかありえないんです。
その自分の声、思いを消し去るのではなく、受け入れた時に、きっと周りを見ることができるのだと思います。

それでは、今日は少し長くなってしまいましたが、また心と表現(アート)についてのお話をしていきたいなと思います。